〈脳梗塞リハビリセンター 理学療法士:吉岡瑞生〉
⌈なぜ動かないか?⌋にばかり注目されがちだが、今回の研究では脳卒中患者の上肢に対し⌈動かせる範囲⌋に着目し、⌈どのように動いているのか⌋その特徴を調査することにした。
〈研究背景〉 • 脳卒中患者の多くで上肢の運動機能障害がみられる • 麻痺側上肢の動きは「どの範囲まで動かせるか?」に着目される事が多い • 動く範囲内における麻痺側上肢の特徴は不明 • 動かせる範囲をどの様に動かしているかが不明
目的)脳卒中麻痺の”上肢動作の特徴”を調査する
〈対象者〉
• 脳卒中による片麻痺を呈する男性7名、女性3名
• 肘を屈曲しようとすると、肩や手首が同時に曲がってしまう方
(ブルンストロームステージBRSⅢよりも軽度)
• 本研究の課題を座った状態で行える方
〈詳細〉
• 平均年齢65歳(±7.3歳)
• 脳出血5名、脳梗塞5名
• BRSⅢ:1名、Ⅳ:4名、Ⅴ:3名、Ⅵ:2名
〈研究方法〉
内容:机に置かれた物体を片手で可能な限り速く運んでもらう
「前後」・「水平」・「右斜め&左斜め」を5往復
①:研究者が机の上に3ヶ所印をつける
→1箇所目:正面から5cm離れた地点→A
→2箇所目:正面から左斜め45°、25cm離れた地点→B
→3箇所目:正面から右斜め45°、25cm離れた地点→C
・左右の斜め45°、25cmの地点
②:対象者はデスクの前に座り、物体を片手で持つ
③:対象者はA→B→C→B→Aと課題どおりに、物体を動かす
④:これらを片手づつ5往復行う
結果:手を「反対側」の印に向かって物体を移動させる際、
「動作が遅く」なった。
〈考察〉
• 反対側前方へ手を動かす時に動作が不安定になる
• この減少は麻痺側、健常側ともに動かす速度が遅くなる
さらに…
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